9月15日(火)、一般社団法人 日本サーチファンド協会 では、会員のほか、サーチファンドに関心をお持ちの方にもご参加いただけるオープンイベントを開催しました。
今回はゲスト講師として荻原 猛 氏(株式会社ロケットスター 代表取締役社長)をお招きし、「事業承継の成功に向け、私が不安に思っている12のこと」をテーマにご講演いただきました。ソウルドアウト株式会社を創業から東証一部上場、博報堂DYホールディングスへの売却まで導いたのち、3度目の起業としてアクセラレータ型サーチファンドを運営する荻原氏が、ファンド組成のために投資家を回った際に実際に投げかけられた「出資するうえで心配なこと」12項目を題材に、それぞれのリスクをどう仕組みで担保し、サーチャーごとのばらつきをどう抑えるのかについてお話しいただきました。
【荻原氏のご経歴】
株式会社ロケットスター 代表取締役社長CEO。3度目の起業として、アクセラレータ型サーチファンドを通じた事業承継と中小企業の成長支援に取り組む。前職ではソウルドアウト株式会社を創業し、中小・ベンチャー企業向けデジタルマーケティング支援事業を展開。東証上場を経て、2022年には博報堂DYによる約200億円のTOBにより売却した経験を有する。
講演では、12の論点を「承継前の準備」「社長を一人にしない」「チームで成果を積み上げる」の3つの柱に整理してお話しいただきました。
サーチ活動については、承継先は「見つける」のではなくサーチャーが売主に「見つけられる」、「選ぶ」のではなく「選ばれる」ことが重要であることや、高値掴みの最大の原因は「自分なら伸ばせる」という過信であり、誰が社長でも伸びる会社を、あらかじめ決めた上限価格の中で買うという規律を持たせるべきであること。また、事前情報の薄い中小企業のデューデリジェンスは段階的に進めることや、緻密な事業計画があれば小規模な会社でも銀行はLBOを組んでくれることなど、いずれもすぐに実践できるノウハウが共有されました。
承継後については、利益はコストカットではなくトップラインで作り、社長自らが営業に出ること。少人数の組織ではキーマンとの握りが業績を左右し、失敗の第一位は組織崩壊であること。そして社長になった瞬間に本音を話せる相手はいなくなるからこそ、弱音を吐ける仲間と高頻度で相談できる仕組みが要ることなど、ご自身の経験を交え、率直に語っていただきました。
そして、サーチャーに必要なのは地頭の良さではなく「エネルギーと覚悟」であり、ゼロイチの起業家とは求められる才能が違う、という冒頭のメッセージは、多くの参加者の印象に残ったようです。
参加者からは、「投資家がサーチファンドをどう見ているのか、その裏側まで知ることができた」「”自分なら伸ばせる”という過信を捨て、誰がやっても伸びる会社を規律をもって買う、という話が意外であり、最も刺さった」「社長の孤独を前提にした仕組みの話は、会社勤めの立場で聞いても身につまされた」といった声が寄せられ、ご自身の起業・上場・売却の経験をサーチファンドの文脈に落とし込んでお話しいただいた点が好評でした。
講演後には、参加者同士で学びを共有する時間と質疑応答の時間を設け、承継後のオーナーとの関係の築き方や、属人的な仕事をどう再現性のある型に変えていくかといった実践的な問いに、荻原氏から具体的な回答をいただきました。会員以外の参加者も多く、講演後も会場のあちこちで情報交換が続く盛会となりました。
会員募集のご案内
日本サーチファンド協会では、現在 正会員・プレ正会員・賛助会員・アカデミック会員 を募集しています。
会員となることで、今回のような 会員限定イベントやネットワーキング にご参加いただけます。これらのイベントは定期的に企画・開催されており、サーチファンド業界に関心をお持ちの方々にとって有意義な学びと交流の機会となります。
ご入会を希望される方は、以下のリンクよりお申込みください。
👉 会員募集要項
