Stanford GSBが6月28日付で2年ぶりのサーチファンドレポートとなる2024 Search Fund Studyを公開しました。レポートはこちらのURLからどなたでも無料でDLできますので、原文が気になる方はぜひアクセスしてみてください。 この記事では2024 Search Fund Studyの概要を日本語でまとめることを目的としたページです。このレポートは北米(カナダ+アメリカ)におけるトラディショナル型サーチファンドを調査対象にしており、概況把握に最適なレポートですので、サーチファンドに興味のある方におすすめの内容となっています。
Stanford GSB, Search Fund Study 2024 – Research Overview
サーチャーのプロフィール
サーチャーの年齢の中央値は31歳と略横ばいですが、30歳以下の割合は24%から32%と増加しておりサーチャー全体で若年化の傾向があるようです。またMBA卒業直後にサーチファンドを立ち上げるケースも前回調査より29%から44%に増加しています。MBAでETA(Entreprenuership through Aquisition)の授業を受講したサーチャーの割合が48%と前回調査よりも10ポイント以上増加しており、この様なETA教育の広がりがPost MBAとしての選択肢として広がっている背景として考えられます。MBAを経ていないサーチャーも19%から24%と増加している点も特筆すべき点です。 女性のサーチャーは全体の17%と増加傾向ではありますが、依然として男性が多数を占める状況です。人種別の割合もまとめられており、白人が56%、アジア系が16%、アフリカ系が6%、ラテン系が8%となっています。
その他データ
直近調査ではシングルサーチャーは81%、パートナー型は19%となっています。サーチキャピタルの金額は中央値が55万ドル(約8,200万円)、最低値が27万ドル(約4,000万円)、最大値が約100万ドル(約1億円)とサーチャーによる幅があることが伺えます。 トラディショナル型サーチファンドは複数の投資家から投資を募りますが、直近調査における投資家の数は中央値が12となっており、過去と比較すると投資家の数は若干の減少傾向にあります。これは北米ではFund of Searchfundsと呼ばれる機関投資家が多く存在し、一口あたりの投資金額が大きくなっていることが影響しているのではないかと考えられます。 サーチャーが投資家を募る期間もサーチファンド毎に大きく異なります。中央値は3ヶ月ですが、最も長井期間は18ヶ月、最短ではなんと0ヶ月(数日)でファンドレイズを完了するサーチャーもいるようです。